3号神戸線リニューアル工事がいよいよ開始! ~事故を分析し、解決に導く工夫~
あんぜん走行ナビ
- ドライバーズサイト TOP
- あんぜん走行ナビ
- 阪高あんぜんナビマガジン
- 3号神戸線リニューアル工事がいよいよ開始! ~事故を分析し、解決に導く工夫~
-
前回の1号環状線リニューアル工事では、いい捜査ができたなぁ(参照)。
ほっと一息・・・・・・・・・
って、3号神戸線リニューアル工事が発表されてるー!? -
そうなんです!
4月15日(金)午前4時~25日(月)午前6時までの10日間、実施するんですよ! -
うわ、また現れた!
ちょっとペース速くないですか~!?
老朽化がすすむ神戸線・・・道路の損傷はあちこちに
-
確かに環状線のリニューアル工事は昨年11月に終わりましたが、神戸線もリニューアル工事が必要なんですよ!
-
どれどれ・・・
今回の神戸線リニューアル工事区間は、摩耶~芦屋ですか。 -
約10.3kmの区間を10日間連続で、終日通行止めいたします。
-
神戸線リニューアル工事が必要なように見えないんだけどなぁ。
前回はいつ工事したんですか? -
摩耶~芦屋間で最後に実施したのは2008年なので、約14年ぶりですね。
それに神戸線は1970年の開通から50年以上が経過しているので、やはり老朽化や劣化が進んでいるんです。 -
14年!?
そんなに経っていると、やっぱりいろんなところにガタが来るんですねぇ・・・ -
日常的に補修を行っているんですが、舗装の損傷(穴ぼこなど)や伸縮継手(橋梁の継ぎ目)の損傷などが発生した際には、車線規制などを伴う緊急的な工事を実施する必要があり、その都度渋滞が発生してしまう可能性があるんです。だから、通行止めを行って集中的に補修することで、交通影響を最小限にするんですよ。
-
なるほどなるほど。
それじゃあ今回も、どんなふうに神戸線が生まれ変わるのか教えてもらいますよ! -
お、ノってきましたね!
リニューアル工事区間の事故多発区間はどこか?
-
今回の神戸線リニューアル工事区間で、事故が多発している区間があります。
下り(神戸方面)の芦屋本線料金所付近 と上り(大阪方面)の魚崎入口合流付近 です -
うーん、あまりピンとこないなぁ。
確かにいつも渋滞している印象はありますけど。
芦屋本線料金所の事故原因を徹底分析!その対策とは?
-
まずは芦屋本線料金所からですね。
料金所の前後では、追突事故や車両接触事故が多発しています。 -
本当だ!特に料金所ブース手前で事故が集中していますね。
-
ご覧の通り、芦屋本線料金所は本線から左側に大きく広がる形状になっていますよね。
この形状だと、どうしても手前から見やすい第2,3ブースに交通が集中してしまうんです。 -
こんなに差があるんですか!?
でも交通集中したからといって、事故多発ってことにはならないんでは? -
いえいえ、交通量は事故件数と密接にかかわっています。
渋滞中は事故が自由走行時の約7倍になるというデータがあります。
詳しくはコチラ→阪神高速の渋滞とその対策【前編】〜渋滞時に事故が起きやすいってホント!?〜 -
交通量が増えると車間距離が短くなったり、
前の交通状況が分かりづらいから事故の原因になるんですね! -
芦屋料金所ではこれに加え、最大7車線の区間となってますので、空いている車線への車線変更も結構多いんです。
-
車線変更が多いと、車両接触事故が多発するのも分かりますね。
-
ということで、何とか第5・6ブースにも車を誘導して、交通集中を緩和し、料金所直前での車線変更を減らすことができないかと考えたのがこちらです!
-
おお、おなじみの「カラー舗装」ですね!
-
はい、カラー舗装をググっと手前まで延ばすことで、左側の第5・6ブースへ誘導する作戦です!
さらに、車線変更を抑制するため、中央の破線を密にしました! -
なるほど!
ドライバーはカラー舗装に従って進むことで、自然に第5・6ブースへ誘導されるのですね!
さらに車線変更を抑制する区画線なんて小技が効いていますね~! -
この対策で交通が分散し車線変更が減少することで、事故が少しでも減ることを期待しています。
事故が頻発する魚崎入口合流付近。解決のカギは「ファスナー」?
-
さて、もう一つが魚崎入口合流付近。
事故のデータはこんな感じです。 -
うーん、何の変哲もない合流地点に見えますけど、合流手前から合流部にかけて事故が集中していますね。
-
ここは、見てお分かりのように、緩い左カーブの先に合流地点があるんです。
合流地点では、合流のために速度が低下しますよね。 -
左カーブの先に合流地点がある・・・
そうか、手前からは合流地点の交通状況が見えないからその交通状況に対応できなければ、危険な状況に陥りますね。 -
その通りです。
ですので本線には、「追突注意」「合流注意」の路面標示を入れて、注意を促すようにします。 -
うん、これなら安心だ!
-
いえ、探偵さん。まだあるんです!
ここ渋滞も多くて、それに伴う事故も多いんです。 -
何か対策はあるんですか?
-
はい、「ファスナー合流」を導入します!
-
「ファスナー合流」!?
-
本線を走行する車と合流する車が交互に合流することで、スムーズな流れを維持する合流方法です。
-
ああ、交互に合流していく様子がファスナーのように見えるからか!
-
そのとおり!
-
それで渋滞や事故が減るの?
-
これまでは合流しやすさから、合流可能な区間を長く設置することが一般的でした。
-
そうそう、合流する側としては安心感がある気がする。
-
ところが、魚崎入口合流付近のように渋滞が多発する区間で、入口交通量が多い環境では、合流可能な区間のいたるところで入口からの合流が発生し、本線の流れがさらに悪くなる、という現象が起きるんです。
-
ええ、意外!
合流部分は長ければいいものだと思っていました! -
ケースバイケースですが、魚崎入口合流の場合はファスナー合流を導入して、本線の流れが良くなる可能性があり、結果として安全性が向上する可能性が見えてきたんです。
-
本線の流れが良くなれば、渋滞が原因で起こる事故も減りますもんね。
-
魚崎入口合流手前の導流帯(ゼブラ)を長くして合流可能な区間を狭め、またファスナー合流を促す看板を設置しました。
ファスナー合流は、お客さまの協力も必要ですので、よろしくお願いします! -
了解しました!!
まとめ
リニューアル工事の調査を終えた探偵は、調査報告書をまとめました。
調査報告書
「芦屋本線料金所」では、カラー舗装と区画線で交通分散と車線変更の減少を図る
「魚崎入口合流付近」では、合流手前での追突注意を促すとともに、ファスナー合流によって本線の流れをスムーズにする工夫を施す
-
今回もいい捜査ができたぞ!
地域や場所によって、事故の傾向や原因、そして解決方法があるんですね。 -
私たちは、お客さまが安全・安心・快適に走行できるよう改善を続けています。
阪神高速をご利用の際は、ぜひ体感してみてほしいです! -
リニューアル工事の完了が楽しみだ!
神戸線のリニューアル工事についてはコチラ!