阪神高速の渋滞とその対策【前編】〜渋滞時に事故が起きやすいってホント!?〜
あんぜん走行ナビ
- ドライバーズサイト TOP
- あんぜん走行ナビ
- 阪高あんぜんナビマガジン
- 阪神高速の渋滞とその対策【前編】〜渋滞時に事故が起きやすいってホント!?〜
阪神高速の渋滞とその対策【前編】
〜渋滞時に事故が起きやすいってホント!?〜
高速道路はスムーズに進んでいるときは、快適に運転できるので「ドライブって楽しい!」と思えますよね。
でも、フラストレーションが溜まるのが、渋滞しているとき。
「なんで進まないの!?」と怒った人もいるのでは。
また、渋滞は事故の大きな原因にもなっているんです。
渋滞時は自由走行時よりも、事故リスクが約7倍も高くなるそう。
なので、渋滞の緩和は快適なドライブを実現するだけではなく、安全性の向上にもつながるわけです。
阪神高速道路では、日々渋滞緩和に向けた取り組みにも力を入れています。
この記事では
・阪神高速における渋滞状況
・渋滞時に事故が起こりやすくなる理由
・渋滞緩和の取り組み
について解説していただきます!
-
というわけで、阪神高速道路株式会社 保全交通部の玉田さんにいろいろとお話を伺いました。
-
よろしくお願いいたします!
交通渋滞で失われるのは「時間」だけじゃない!?
-
まずは阪神高速の渋滞状況について見ておきましょう。
-
実は、平日では阪神高速道路における全走行台キロの約7割以上で渋滞による遅れ時間のない自由走行が実現されています。
-
意外と渋滞の割合って少ないんですね。
-
はい!ただ、一部の時間帯や区間では未だ慢性的な渋滞が発生しているんです。
その緩和に向け、日々さまざまな対策に取り組んでいます。 -
また、渋滞が発生すると目的地までの到着時間が遅れます。つまり、時間的な損失があると言えますね。それ以外にもマイナス面があるんですけど、何かわかりますか?
-
何でしょうねえ...。
あっ、わかった!渋滞で退屈だから、お菓子を食べ過ぎちゃうとか!? -
.........違います。
信号などでの停止がなく、時速60〜80km/hくらいで自動車を走らせているのが一番燃費がよく、経済的だという話を聞いたことありませんか? -
あっ、停止と発進を繰り返すことで、燃料が消費されるということですか!?
-
はい、その通りです。その他にも、自動車の排出ガス量の増加など環境への負荷も高めてしまうんです。
-
影響を受けるのはドライバーだけじゃないんですね。
-
渋滞は常に重要な課題であり、日々改善のために努力を続けています。
渋滞時の事故リスクは約7倍に!?
渋滞時は雨の時よりも事故リスクが高い!?
-
ここまで、渋滞によるさまざまな損失について見てきました。
ただ、渋滞のマイナス面はそれだけではありません。
冒頭で述べたように、渋滞は事故のリスクも飛躍的に高めることがわかっています。事故リスク
・雨が降ると晴天時の約2倍に
・渋滞時は自由走行時の約7倍に
出典:「阪神高速道路交通統計データ」(2015 ~ 2018 年度) -
「雨の日は事故が多い」という認識を持っている人は少なくないと思いますが、渋滞時はなんと自由走行時の約7倍も事故リスクが高くなるんです。
-
その意味では、渋滞を解消することが、事故の防止にもつながるわけですね。
-
そういうことです!
渋滞時に事故が起こりやすくなる理由とは?
-
では、どういった理由で渋滞時は事故が起きやすくなるのか、具体的な理由を見ていきましょう。
・前後の車との車間距離が短くなっているうえに、強引な車線変更によって停止・発進が繰り返されることで追突事故が起こりやすい状態に
・カーブの先が渋滞していて、気づかずに渋滞後方に追突してしまう
・上り坂になったことに気づきにくい箇所(サグ部)では、知らないうちに速度が低下して、後続に渋滞が発生し、追突事故を引き起こしやすくなる
-
渋滞になると車間距離が短くなって、追突しやすくなっちゃうわけですね。
-
ところで、先ほどおっしゃった「サグ部」って聞きなれない言葉なんですけど...。
-
下り坂から上り坂へと変化する箇所を「サグ部」といいます。
これは英語のsag(たわみ、落ち込み)という意味からもわかるように、下り坂から上り坂の変わり⽬となる凹部の構造なんです。 -
「上り坂」だから、速度が低下するということですか?
-
おっしゃる通りです。「上り坂」とドライバーが認識すれば、意識的にスピードを速めると思いますが、サグ部は目の錯覚でドライバーは「坂」と意識しないんですよ。
それが速度低下、渋滞へとつながるというわけです。 -
なるほど。そういうことだったんですね。
-
もちろん、そういった「渋滞が原因と考えられる事故」への対策も阪神高速はしっかりと取り組んでいます。
-
ぜひ詳しく教えてください!
-
実は...
おっと、この先は長くなりそうなので、次回の記事でご紹介します。