環状線リニューアル工事を追え!~より走りやすく生まれ変わる環状線~
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環状線リニューアル工事を追え!
~より走りやすく生まれ変わる環状線~
ある捜査の帰り道、探偵は阪神高速のPAに立ち寄ることに...
仕事終わりのコーヒーを楽しんでいると、環状線リニューアル工事のポスターが目に入ります。
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11月10日から環状線がリニューアル工事だって!?
いつも使ってるから、気をつけておかないとなぁ...。えらく大層な名前がついてるけど「阪神高速リニューアルプロジェクト」って何だ?
一般的な改修工事とは違うのか?むむ~、気になるな...こうなったら調べるしかない!
そう思い立った探偵は、「阪神高速リニューアルプロジェクト」について、独自捜査に乗り出します。
阪神高速リニューアルプロジェクトってなに?
さっそく聞き込み調査を開始した探偵は、阪神高速リニューアルプロジェクトを深く知るキーパーソンと出会います。
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阪神高速道路(株)保全交通部の玉川です。
遠慮なく、何でも聞いてくださいね。 -
ご協力に感謝します!
老朽化が進む阪神高速
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独自に調査してみたんですが、阪神高速は約4割もの道路が開通から40年を超えているとか...(2020年4月時点)。
普段、阪神高速を走っていると特に問題がないように見えるけど、だいぶ老朽化が進んでいるんですかね...。 -
そうなんです。
そこで現在(2020年11月)、阪神高速道路(株)で取り組んでいるのが「阪神高速リニューアルプロジェクト」。各所で老朽化した道路の改修工事を行っています。過去のリニューアル工事実施写真
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なるほど...写真を見ると一目瞭然ですね!
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そして今回行われるのが2020年11月の環状線リニューアル工事。
[STEP1] 1号環状線 梅田→夕陽丘
11月10日(火)午前4時~
11月20日(金)午前6時[STEP2] 12号守口線 南森町・扇町付近
11月10日(火)午前4時~
11月27日(金)午前6時工事の詳細についてはこちらをご覧ください。
>>環状線リニューアル工事2020南行 -
こうした工事が、我々の安全で快適な交通を支えてくれているんですね。
これで、阪神高速リニューアルプロジェクトの謎も解けました。ありがとう! -
ちょっと待ってください!
実は今回の環状線リニューアル工事では老朽化の改修以外に、より走りやすい道路を目指した工夫も行っているんです! -
なに!? それは詳しく探る必要がありそうだぞ。
よし、本格的に捜査を加速させよう!
阪神高速では多くの道路が開通から40年以上が経ち、老朽化が進んでいる
老朽化した道路の改修を行うため、阪神高速リニューアルプロジェクトが立ちあげられ、各所で工事が行われている
今回の環状線リニューアル工事では老朽化の改修だけではなく、より走りやすい道路を目指した工夫も施されている...?
阪神高速環状線の現状
玉川さんの導きのもと、探偵はさらに環状線リニューアル工事の謎の追及に乗り出しました。
その真相には、"走りやすさ"が大きく関わっているといいます。
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なるほど、ドライバーがより走りやすい道路か...
ということは、"走りにくい"箇所があるということか! -
さすが探偵!鋭いですね...!
実は"走りにくさ"は事故につながってしまうこともあるんです。
こちらのデータをご覧ください。
環状線の事故は、大阪地区全体の約2割を占めている!?
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このように、1号環状線は大阪地区の事故件数の約2割を占めています。
つまり、環状線には"走りにくい"箇所があるということなんです。
"走りにくさ"の主な要因は、以下の2つと考えています。・交通量が多く、車間距離が狭くなるから走りにくい
・分合流や出入口が多く、車線移行が頻繁にあるから走りにくい -
確かに、環状線はちょっと走れば出口があったり、合流ポイントがあったり、慣れていない人だと最初の頃は戸惑うことが多いと思います。
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それをいかにわかりやすく、スムーズな運行に改良していけるかも、今回の環状線リニューアル工事の要点の一つです。
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具体的にはどういう場所があるんですか?
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事故多発ポイントになりやすいのは、分岐手前と合流後です。
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なるほど!分岐合流ポイントでは確かに車が色んな動きをする傾向にあるし、事故が起こりやすいということですね。
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さすが理解が早い!それでは、事故多発地点を示した下のマップをご覧ください。
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むむ...?ということは今回の環状線リニューアル工事でこの事故多発地点が運転しやすくなるということですか?
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その通り!環状線リニューアル工事は、老朽化対策だけではなく、走りやすさ向上に向けた改良の絶好の機会でもあるんですよ。
具体的にどのような対策が取られるのか、中之島JCT~天神橋JCT間を例にとって、詳しく解説しますね。 -
よし!少しずつ謎が解けてきたぞ...!
環状線リニューアル工事が行われる区間に、事故多発ポイントが多く含まれている
つまり、今回の環状線リニューアル工事は改修はもちろん、走りやすさ向上の施策に取り組むのにも絶好の機会!
環状線リニューアル工事で中之島JCTが大きく変わる!
環状線リニューアル工事の一環として、走りやすさ向上のための取り組みもなされている――。
その真相に迫るべく探偵は、具体的な事例として中之島JCTについて調査することに...
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2020年11月の環状線リニューアル工事において、中之島JCT~天神橋JCT間はこのように変わります!
走りやすさ向上ポイント
①より合流しやすい区画線への改良
②より分岐をわかりやすくするための標識の改善
③出口が一目でわかりやすいカラー舗装の整備 -
この3つが、今回の環状線リニューアル工事区間で事故を減らし、走りやすさを向上させるポイントということですね。
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そういうことです! 1つずつ具体的に見ていきましょう。
走りやすさ向上ポイント①
より合流しやすい区画線への改良
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まずは、中之島JCTの池田線と環状線の合流ポイントから...。
ここはよく走るけど、確かに車が混み合いますよね。 -
では、イラストで現状を見てみましょう。
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お~、イラストで見ると車の動きがわかりやすい!
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イラストを見てもらえればわかるように、交通量の多い環状線の2車線が1車線に減少することが後続の混雑と事故の要因と考えられます。
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なるほど!それを避けようとした車が無理な車線変更をしてしまって、影響が池田線や環状線にまで拡大していくというわけか...!
で、今回の環状線リニューアル工事で、この問題が解決するというわけですね! -
はい。環状線リニューアル工事後がコチラ!
下のイラストをご覧ください。 -
おッ...。環状線の車線が増えて、2車線のまま合流できるようになってる!?
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はい。走行や合流がスムーズになり、混雑解消や事故の削減にもつながると期待されています。
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今までよりも余裕をもって合流ができそう!
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そうですね。ただ、環状線リニューアル工事後は走りやすくはなりますが、今までと合流の構造が変わります。
特に池田線を走行する車は環状線に合流することになるので注意してくださいね。
また、環状線を走行する車は池田線から合流してくる車に備えて車間距離をとった走行をお願いします。 -
区画線が改良されても慣れていないと戸惑って焦ってしまうことがあるということか。その点は注意が必要というわけですね。
2車線から1車線に減っていた環状線からの合流ポイントが2車線のままになり、走行・合流がスムーズに
今までと合流の構造が違うので、慣れるまでは注意が必要
走りやすさ向上ポイント②
より分岐をわかりやすくするための標識の改善
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先ほど合流や分岐の多さが環状線の特徴とご紹介しましたが、その分、これらを案内する標識・看板なども多くなります。
それだけに案内が煩雑になってしまうという課題がありまして...。 -
あ、それはあるかも!? 慣れていない頃、何度か間違った出口で降りちゃったことがあるし...。
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はい、実際に誤分岐(※1)・誤退出(※2)が発生した報告も少なからず上がっています。
例えば守口線への分岐を予告する標識は、北浜出口と併設されており、どちらも上向き矢印の表示でややこしかったため、誤退出や迷走する車が発生していました。- 1 誤分岐とは...誤った方面へ分岐すること
- 2 誤退出とは...誤った出口で退出すること
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ふむふむ...今回の環状線リニューアル工事で、その標識の改善にも取り組まれたわけですね!
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あ、今までにはなかった下向きの矢印「⬇」がある!
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よくわかりましたね!実はこの標識にはドライバーの方が迷わないように、次のような違いがあるんです。
従来の標識
行き先の方向を上向き矢印で表示
リニューアル後の標識
行き先の車線を下向き矢印で表示
(環状線から分岐する路線の案内が対象) -
上のイラストだと「⬇」の車線は守口線に行くことができるってことですね。
確かにこれだと迷わないんで、安心かな。 -
それと、もう1つ変更点があるんですけど、お気づきですか?
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うーん...。どこが変わったんだ...?
あ、ルートマークの色が反転している! -
正解です!これにより、環状線から分岐する路線が強調され、分岐ポイントがわかりやすくなるんですよ。
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なるほど...!このケースだと、守口線への分岐ポイントがパッと見てわかるようになるわけですね。
環状線から分岐する路線に向かう車線を下向き矢印で示すことで、より分岐をわかりやすくする
ルートマークの色を反転して、環状線から分岐する路線を強調表示する
走りやすさ向上ポイント③
出口が一目でわかりやすいカラー舗装の整備
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出口の見逃しや誤退出(※1)の防止と、それにともなう事故を減らすための施策として、カラー舗装の導入にも取り組んでいます。
- 1 誤退出とは...誤った出口で退出すること
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カラー舗装!? 道路に派手な色を塗って、目立たせるってことですか?
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だいたいそんな感じです。北浜出口の実例で見てみましょう。
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先ほどご紹介した池田線と環状線の合流ポイントから、少し進んだところにある北浜出口。ここでは、守口方面に向かう車が誤退出(※1)してしまう事例がありました。
- 1 誤退出とは...誤った出口で退出すること
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その対策として、イラストにあるように出口に向かう道路の部分をカラー舗装するというわけか。
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それだけじゃないんです。出口部にある標識をよく確認してみてください。
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あ! カラー舗装と標識の矢印が同じ青系統で統一されている!?
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そうなんです。道路と標識の矢印の色を連動させることで、出口であることがより明確になるように工夫しています。
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てか、出口開始地点にも標識が増えているじゃないですか!?
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目が利きますね! これにより、ドライバーの方が事前に出口を認識していただけるようになり、誤退出(※1)や急な車線変更を削減できると考えています。
- 1 誤退出とは...誤った出口で退出すること
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ここまでわかりやすく表示してもらえると、間違いも減りそうですね。
出口案内としてカラー舗装を導入
カラー舗装と連動した標識を導入
出口案内の標識を出口開始地点にも配置
まとめ
ついに環状線リニューアル工事の全貌を解き明かした探偵は調査報告書をまとめます。
調査報告書
●阪神高速リニューアルプロジェクトは、老朽化が進む阪神高速を改修するために行われている
●環状線リニューアル工事では老朽化の改修だけではなく、ドライバーの走りやすさ向上のための改良も施されている
●走りやすさ向上に向けた3つの改良ポイント
・より合流しやすい区画線の改良
・より分岐をわかりやすくするための標識の改善
・出口が一目でわかりやすいカラー舗装の整備
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ようやく、環状線リニューアル工事の謎がすべて解けたぞ...!
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阪神高速では今後も、より走りやすく、より安全な道路を目指して、区画線や標識等の改良を行っていきますので、ご期待ください!
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これからも捜査することがいっぱいありそうだ...!
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探偵さん、あともう一つだけ!
下記の「達人と学ぶ阪高運転の"コツ"」では、今回の環状線リニューアル工事後、新しくなった道路を走行するポイントなどの動画をアップする予定なんです。 -
なに!?こちらも要チェックだ!